朝井リョウ ゆとり三部作-ホテルステイに、珠玉のくだらなさを
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』という書籍をご存じだろうか。
2024年に発刊され瞬く間にヒットした、文芸評論家・三宅香帆氏の著書だ。
「働いていると本が読めない」。この点については、この本が世に出る前から、自分も含め、多くの人が同じように思っていたのではないか。
本書は、そんな実感が見事に言語化された一冊だ。まだ読んでいない方は、ぜひ一読してほしい。
同著によってマインドチェンジを遂げたあなたは、本を読みたくなっているはず。
そして、本を読む格好の場所が、滞在先のホテルだ。
本サイト Stay & Experience カテゴリ内の記事でもたびたび触れているが、ホテルステイの楽しみのひとつに、「本を読むこと」がある。
夜、ベッドの枕を背に本を読む時間は、何にも代えられないひとときだ。
ここで問題になるのが、せっかくのホテルステイにふさわしい一冊は、なにか?という話である。
非常に悩む。なにしろ日頃、業界や職種にかかわる書籍や自己啓発的な書籍しか読まないのだ。
もちろんこれらをステイ先に持参し、インプットを増やすのも一考だが、どうせなら日常から少し離れた世界に浸ってみたい気もする。
そう考えると、ものすごく悩みだすと思う。
なので、そんな悩めるあなたへ、私から珠玉の本をご紹介します。
その本とはずばり、朝井リョウのエッセイ3部作です~~~~!!!!
ふざけてなどいない。
というかふざけていると秒で感じたあなたは、結構な朝井通だろう。
朝井通ではないその他大勢の方に向けて、著者のプロフィールを簡単に共有する。
朝井リョウ
1989年、岐阜県不破郡垂井町の生まれ。
2009年、早稲田大学在学中に『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞し鮮烈デビュー。2013年『何者』で第148回直木賞、2021年『正欲』で第34回柴田錬三郎賞、2026年『イン・ザ・メガチャーチ』で本屋大賞を受賞。
現代社会の歪みや人間の矜持を抉り出す観察眼と圧倒的な描写力で、文壇・読者双方から絶大な評価と信頼を獲得し続けている。
ね、ホテルステイで読むのにぴったりの著者だと思いません?思いましたよね?
まあ今回推すのは、彼の小説ではなくて、エッセイなんですけどね。
は?
彼のエッセイは本記事執筆時点で3部、世に放たれている。
エッセイだけで3部もあるなんてすごいことだ。他にはさくらももこと星野源くらいしか思いつかない。
1冊ずつ見ていこう。
界隈では「ゆとり三部作」と呼ばれるこれらのエッセイ。
これ、本当に各界の賞という賞をほしいままにしたあの朝井リョウが書いたの?と思われたかもしれないが、本当に書いています。怖い。本人の人格と小説との乖離が怖い。
少し話がそれるが、数年前、芸人のヒロコヒー氏が、あるフリーペーパーにて、図書館と自身との関係についてこのように語っていた。もう手元にはないため、うろ覚えではあるのだが、
図書館で手に取った本によって、自分でも気づいていなかったその時のメンタルや関心事が浮き彫りになる。
というようなことを述べていたと思う。
なんでこんな昔のことを覚えているかというと、自分もまさにそう感じていたからだ。
図書館に限らず、書店で選ぶ本にはその時の自身のメンタルがものすごく反映されていると感じる。
しかし、だ。
こと朝井エッセイに関しては、本当にわからない。
健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、はたまた平常心のときも、いつでも手に取ってしまうからだ。
だから、もしあなたが今、どんな心理状況だとしても、朝井リョウのエッセイを手に取っていただいて大丈夫です。多分。
そんな彼のエッセイにはたびたび、旅行記が登場する。
そして朝井氏を知っている方ならおなじみだが、彼はおなかが非常に弱い。
そんな彼でも突然の腹の悲鳴や数々の難を抱えながら、旅にでているのだ。
この本を読めば、彼に比べれば少しはまともなおなかを持っている我々が、旅に出られないはずがない、と背中を押してくれる。
どうですか?
ホテルステイで、最高にくだらない本を読む。こんな贅沢、あっていいのだろうか。
いいのです。
せっかくのステイなのだ、仕事に役立つ本は留守番させて、朝井リョウをお供にしてみては。
では、今すぐ書籍を申し込んで(下部リンクからだと3部作が一度に申し込めます)。
そして、その勢いで旅の予約もどうぞ。木こり。
