品川は、何もしないためにある。-都心ホテルステイの最適解
あなたにとって、人生のアナザースカイ(国内編)はどこですか?
私にとって、それは日本橋です。
でも、ホテルステイ編となると答えが違ってくる。
私にとってのアナザースカイ(都心・ホテルステイ編)は、品川なのである。
あなたは何のためにホテルに泊まるだろうか。
多くの場合、観光など目的があり、そのための宿泊という位置づけだと思う。
例えば、舞浜なら、東京ディズニーリゾートへ行くから、その周辺ホテルに泊まる。
浅草なら、東京スカイツリーや浅草寺へ行くから、その周辺ホテルに泊まる。
と、いう具合だろう。
品川はどうだろう。
近年、近隣エリアも含め目覚ましいスピードで再開発を遂げている街。そして日本を代表するビジネス街のひとつでもある。
でも、なんというか、絶妙に何もないのである。
いや、何もない、は語弊がある。
水族館(マクセル アクアパーク品川)もあるし、品川駅は東海道新幹線をはじめ主要路線が結集する一大ターミナルだ。駅ナカ・駅外にはショッピング施設があり、飲食含め、ほしいものが手に入る環境が揃っている。
だから何もない、ではない。
正確には「何もしなくていい」なのかもしれない。
以前、あなたにはお気に入りのホテルがありますか?と問うたけれど、今現在の自分にとって、そのホテルは2つあり、そのどちらも実は品川だ。
1つ目は、東京マリオットホテル。
このホテルこそ、自分がはじめてワーケーションのために数日滞在した場所であり、「暮らすように、泊まる」-その意味を実感したホテルだ。
このホテルの神髄は、徳川ゆかりの地・御殿山が醸し出す静寂と、マリオットというグローバルブランドとの絶妙な融合にあるのではないかと思う。
日本の歴史ある土地に、外資のホテルが溶け込む。ここ東京マリオットホテルは、そんなスタイルの先駆けのひとつともいえる存在ではないだろうか。
2つ目は、ストリングスホテル東京インターコンチネンタル*。
こちらは、客室の佇まいが自分の琴線に触れた、忘れがたいホテルだ。
このホテルは品川駅港南口からペデストリアンデッキ直結の、品川イーストワンタワー内にある。
オフィスやショップも入っており、タワーそのものは良くも悪くも無機質な印象を受ける。
しかしエレベーターで26階-ホテルロビー階に上がると、そこは異世界。
ロビーを横目に窓一面広がる品川の圧倒的な眺望。
そしてロビーエリアと客室とを結ぶ高い吹き抜け。同じタワー内か?と思わず錯覚してしまう。
この2つのホテルの滞在中にしたこと。それは「何もしない」をしたことだ。
厳密にいうと、東京マリオットホテルではワーケーションで訪れたため仕事はしていた。
でもそれ以外の時間、ホテルから繰り出して品川観光を楽しんでいたわけではない。
ホテルでゆっくりとした時間を過ごす。これだけだ。
つまらないと思うかもしれない。でも意外と飽きないのだ。
それは品川という大都会だからこそ為せる技なのかもしれない。
ストリングスホテルであれば、客室が高層階に位置しているため、昼間は活気ある街並みや新幹線が通る様子を眺められる。徐々に夕暮れとなり、だんだんと日が沈む美しさ、そして夜の明かりが浮かび上がる煌めきまで、時の移ろいを永遠に見ていられる。
この「何もしない」、日々目の前のタスクに追われがちな我々にとって、これ以上の贅沢があるだろうか。
これが、もし舞浜だったらどうだろう。
もしも「よし、今回の目的はホテルステイだ。東京ディズニーリゾートには行かず、ディズニーの雰囲気だけを感じながらゆっくり休むのだ」と決めて来たとしても、心のどこかで、「せっかく舞浜まで来たのになんだか勿体ない気がする…でもホテルだって安くはないし…」とそわそわしてしまうだろう。
でも品川なら、「せっかく来たのだから、何かをしなければ」というプレッシャーがない。
余計なあれこれを考えることなく、ただひたすらにゆっくりと、ステイそのものを楽しめる。
ホテルが主役になれる、品川という街。
今まさに、再開発で街が大きく変わろうとしている。その転換点を定点観測的に見に行くのも、また一興かもしれない。
*2026年12月1日より『インターコンチネンタル東京品川』へ名称変更
